まだ誰も知らない恋を始めよう
 それは。
「おかえりなさい」と
「お疲れ様でした」と
「愛してるから、結婚しましょう」と
 それから。


「あのね、今日発見したの!
 書籍整理の最中に貸し出しカードを見て気付いたんだけど、わたし達2年の頃から同じ本を借りてた!
 それも、1冊2冊とかじゃなくて、結構な数の本を、だよ。
 貴方、知らなかったでしょう!?」

 わたしの大発見を聞いたフィンは珍しく照れた顔をして。
 人前なのに、素早くわたしにキスをした。


「……2年じゃなくて、1年生の終わり頃からかな」

 え、じゃあ、フィンはもっと前から、気付いていたの?


「君が俺をここで見つけてくれる前から、俺は君を追いかけてた」

「わたしが、貴方を追いかける前から?」

 その問いを肯定するように、わたしは抱きしめられた。
 今日もファンサービスが過剰な彼だけど、もうわたしは彼を突き飛ばさない。


 今では、わたし達の恋を誰もが知っている。

 だから、わたしからも。


 貴方がずっと隣に居てくれるなら、これはもう必要無いね。

 眼鏡を外して、遠くへ放り投げて。

 今では、わたしだけの王子様にキスを返した。


   
    おわり


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