リアル・アクション・アプリ
洋太さんの声はうわずっている。

「菅原先生には死ぬ前にこの子の姿が見えていたってことだよね？　でも、どうしてなんだろう？」

すでに亡くなっている子が【R‐リアル】に出てくる理由がわからなくて首をかしげる。

「それを探るためにはこの子のことをもっと調べた方がいいな」
昇はそう言うと検索画面に五十嵐花子と打ち込んだ。
ズラリと出てくるのは事故についての記事がほとんどだ。

調べていくうちに市内の、あまり遠くない交差点で亡くなっていることがわかってきた。

「そういえば、そういうニュースを見た気がする」
自分の記憶にうっすら残っていたのだろう、知里がいたたまれない声色で呟いた。

「これ見てみろよ！　本人のSNSだ」
突然昇が大きな声を上げてスマホ画面を指差した。

そこには五十嵐花子本人が使っていたSNSがそのまま残されたものが表示されていたのだ。

ハンドルネームは『HANA』となっているけれど、アイコンとして使われている写真には友人たちと一緒に五十嵐花子本人が写っている。
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