リアル・アクション・アプリ
間違いなく、五十嵐花子のSNSみたいだ。
「家族が削除しないかぎりは残り続けるからね。家族に感謝しないと」

洋太さんはそう言って画面を見つめる。

昇がスクロールして五十嵐花子の投稿を読み進めていくと、彼女も【R‐リアル】を使っていたことがわかってきた。

だけど、私達とは少し様子が違うみたいだ。
《【R‐リアル】はすごく流行ってて面白いからって、ダウンロードさせられた》

《【R‐リアル】から通知が来たら、2分以内に写真を撮って投稿しなきゃいけない。でも私、こんなこと興味ないのに》

「2分以内とか、写真とか、どういうこと?」
知里が眉を寄せている。

「そうだよね。私たちがやってる【R‐リアル】は時間も指示も毎回違うし、動画撮影だよね」

「僕が知っている【R‐リアル】は、写真を投稿する方だったんだ。だけど今回はコンテストって形で通知が来たから面白いことを始めたんだなと思って、参加した」

洋太さんの説明に私たちは互いに目を見交わせた。
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