リアル・アクション・アプリ
☆☆☆

廊下に出たところで中条先輩とバッタリ会ったのは偶然じゃなかった。

今度のミッションをクリアするために、私達に手伝ってほしくて2年生の教室までやってきたのだ。

「ごめんな。おんぶさせてほしいなんて、さすがに友達には言えなくて」
申し訳なさそうな中条先輩に、美穂はむしろ嬉しそうだ。

「中条先輩におんぶしてもらえるなんて感激です!」
なんて言っているけれど、自分からおんぶしてほしいと名乗り出たのは美穂の方だった。

「俺は瞳をおんぶして、中条先輩は美穂をおんぶする。他はどうする?」
昇に聞かれて私は知里へ視線を向けた。
「私と知里はおんぶしあいっ子する?」

「え、できる?」
知里は自分のお腹まわりを見つめて少し恥ずかしそうに聞き返してきた。

少しふっくらしている知里だけれど、身長は私より低いから体重は同じくらいのはずだ。

「大丈夫だと思う。あとは美穂だね」
「げっ。おんぶされることばっかり考えてたけど、私も誰かをおんぶしなきゃいけないんだっけ」

「そうだよ」
私は頷いた。
それに美穂はこの中で一番非力だ。
きっと私や知里をおんぶすることも難しい。
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