リアル・アクション・アプリ
「先生腹が痛いから保健室に行きます。クラス委員長、ついてきて」
早口でそう言い、私の腕を掴む。
私は条件反射のように立ち上がって、昇と共に教室を出た。

今回の制限時間はたった5分だ。
悩んでいる暇なんてなかったんだ。

私と昇が廊下へ出たのとほぼ同時に後方から知里が「先生、私もお手洗いに行きます」と行っている声が聞こえてきた。

3人そろって一目散に階段を駆け下りて、先生たちの昇降口へと走る。
「待って、道具をなにも持ってない!」

途中知里がそう叫んだけれど、昇がハサミを持ってきてくれていた。
ちゃんと用意してきたということは、このミッションも絶対にクリアするすもりなんだろう。

昇降口へたどり着いたときには3人共息切れをしていたけれど、そんなこと気にもせず私は昇と知里のスマホを受け取った。

まずはふたりが担任の先生の口をハサミで切っていく。
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