虐げられ続けた私ですが、怜悧な御曹司と息子に溺愛されてます
会社では別行動になるが、岳に会食などの特別な予定がなければ昼食は一緒にと言われている。
ランチタイムを一緒に過ごすことも契約なのかなと疑問に感じるが、婚約者ならば義務かもしれない。
帰宅時間が同じ日はふたりそろっての帰宅になる。
そもそも「電車で通勤します」と真矢が言ったら「君をギュウギュウ詰めの通勤電車に乗せたくない」と、岳に叱られたのだ。
かつてはそうやって通っていたから平気なのだが、岳は少しばかり過保護なようだ。
岳との暮らしは、これまで真矢が経験したことのない至れり尽くせりの毎日だった。
マンションの内装は、岳が手配してくれたインテリアデザイナーが真矢の希望を聞きながら整えてくれた。
以前はガランとしていた部屋に、どこか暖かい雰囲気が生まれている。
もともと岳のマンションの敷地には花木がたくさん植えられているし、近くには植物園もある。
窓から見える風景はネオンのきらめく夜景ではないが、緑が多く見えることでどこか懐かしさを感じさせてくれた。
それもあってか「ここに帰るとホッとする」と岳が言ってくれるようになった。
その言葉を聞くだけで真矢はうれしいと感じるし、この部屋にいてもいいんだと思えた。