虐げられ続けた私ですが、怜悧な御曹司と息子に溺愛されてます
こんな毎日だから、真矢の存在は目立っているはずだ。
女性社員や岳の周囲からどんな目で見られるか心配したが、思っていたほどではなかった。
出社してからは分室にずっとこもって働いているし、森川たちが真矢は仕事に欠かせない存在だと社内で話してくれているらしい。
評価が高すぎて恥ずかしくもあったが、その期待に応えようと真矢はいっそう仕事に集中するようになった。
都々木家の家族との顔合わせについては、岳に任せていた。
そもそも真矢は、体調がよくなったら真っ先に岳の両親に挨拶するつもりだった。
対鶴楼の買収計画を中止してもらえたし、いきなり婚約することになったのだから社長にはきちんとお礼を言いたかった。
「ご挨拶しないままでよろしいですか?」
契約を交わした関係とはいえ、もう同じマンションで生活しているのだ。
「円滑に仕事を進めるための婚約だと、正直にお伝えするべきではないでしょうか」
そう真矢が岳に話したら、困ったように眉を寄せている。
「社長はいろいろうるさいから、企画書を出すタイミングがベストだ」
もう婚約するとは伝えているから、先に対鶴楼の支援策について計画書をまとめたいと言う。
「わかりました」
岳が決めたことなら、きっとその方がいいのだろう。