虐げられ続けた私ですが、怜悧な御曹司と息子に溺愛されてます



ここに初めて迎えた女性が、真矢だ。

「こんな時間に外で会ったほうが悪目立ちするだろう」

躊躇(ちゅうちょ)していた真矢も、そう言うと納得したのか素直にマンションの部屋に入ってくれた。

真矢が落ち着いたところで話を聞いてみたら、とんでもないことになっていた。
鶴田家では、どうやら対鶴楼を支援してくれる会社を探していたようだ。
そこに明都ホテルグループから買収を持ち掛けられたので、焦ったのだろう。
高杉建設の名は、岳も知っている。貴重な技能を持っているから、小さいながら堅実な建設会社だと思っていた。
それが対鶴楼を援助するというのだから驚きだ。

おまけに真矢を後妻に迎えるという。若女将のほうが華やかな美人で社交性があるから、社長夫人にふさわしい気もする。
だが実務面や仕事に対しての熱量は、おそらく若女将より真矢のほうが上だろう。
高杉社長は、あえて真矢にこだわった気がしてならない。

(なにか理由があるはずだ)

真矢は気がついているはずだ。なにか隠しているように思えてならないが、よほど岳に知られたくないことなのだろう。


< 93 / 141 >

この作品をシェア

pagetop