泣ける程に愛してる。

すると、午後になると「咲。」と啓人が話し掛けてきた。

啓人を見ると、本城さんの陰がチラついてしまう。

わたしは何を嫉妬してるんだ。

え、、、嫉妬?

わたし、嫉妬してるの?

啓人はただの契約結婚した、一年間だけの夫じゃない。

嫉妬するなんて、おかしいおかしい!

「咲?」
「あ!な、何?」
「今日さ、悪いんだけど、、、先に帰っててもらえるか?」
「何かあったの?」
「ちょっと、打ち合わせを兼ねてTN社の本城さんと食事に行く事になってさ。」

え、、、本城さんと食事?

わたしは複雑な気持ちだった。

でも打ち合わせってことは仕事なんだから、仕方ないんだよね。

「そうなんだ。分かったよ。」
「ごめんな。」
「ううん、打ち合わせなら仕方ないじゃない。気にしないで。」

わたしはそう言って作り笑顔を浮かべ、啓人を避けるようにパソコンへと向き直した。

啓人は「咲。」と再び呼んできたが、わたしは「今ちょっと忙しいんだ、ごめん。」と啓人を避けてしまった。

啓人は「そっか、邪魔して悪かった。」と言い、自分のデスクへと戻って行った。

わたし、何してるんだろ、、、

何一人で怒ってるんだろう、、、馬鹿みたい、、、

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