妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?
「しかし、そんなことはこの際どうでもいいことだ。重要なのは、その二人が俺の妹に怖い思いをさせたということにある」
「え?」
「そのようなことをした者を俺は許しはしない。万死に値する。その二人は必ず絞首台まで俺が送るとしよう」
「あ、いや、それはやり過ぎでは……」

 納得していたはずの私は、続く言葉にまた混乱することになった。
 ただ口からは、否定の言葉がなんとか出た。よくわからないが、これくらいのことで絞首台に送るなんてことはどう考えてもやり過ぎだからだ。そこは止めておかなければならないと、自然と言葉が口から出てきた。

「アドルグ兄様、絞首台まで送ったらアドルグ兄様の方が悪者になってしまいますよ。もちろん、冗談だとは思いますが……」
「冗談ではない。ヴェルード公爵家の男子に二言はない」
「いや、二言であってくれよ……」
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