妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?
 私の言葉に、ロヴェリオ殿下は笑顔を浮かべてくれた。
 彼は私のことを、かなり気に掛けてくれている。きっとレフティス様がディトナス様のような人ではなかったことを、喜んでくれているのだろう。

「……それでさ、今日の舞踏会、クラリアは一緒に踊ってくれるか?」
「え?」
「いやその、せっかくだから踊りたくてさ」

 そこでロヴェリオ殿下は、少し遠慮がちに言葉を投げかけてきた。
 それに私は、笑顔を浮かべる。その言葉は私にとって、とても嬉しい言葉だったからだ。

「もちろんです。ロヴェリオ殿下とご一緒できるなら光栄です」
「そんなに改まる必要なんて、ないんだけどな」

 私はロヴェリオ殿下に対して、力強く頷いて見せた。
 彼の存在というものが、本当に心強い。今回の舞踏会は、なんだか楽しいものになりそうだ。
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