妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?
 私は、ロヴェリオ殿下ともに踊っていた。
 正直な所、こういったダンスというものにはまだ慣れていない。平民だった時も祭りなどで踊ることはあったが、それはここで行われるものとは大きく違うものだ。
 もちろん、ヴェルード公爵家において指導はされている。最近はイフェネアお姉様も教えてくれているので、以前よりは様になっているとは思うが。

「クラリア、大丈夫か?」
「あ、はい。大丈夫です」

 ロヴェリオ殿下は、私のことを気遣ってくれているようだった。
 動きなども恐らく、私に合わせてくれている。これは私からしてみれば、とてもありがたいことだ。お陰様で、一応はきちんと踊ることができている。

「ロヴェリオ殿下、ありがとうございます」
「うん? 急にどうしたんだ?」
「いえ、こうやってサポートしていただけるのが、とてもありがたくて」
「そんなことは、気にする必要はないさ。誰だって通る道だ」
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