妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?
 オルディアお兄様の言葉に、私は思わず息を呑んだ。
 その指摘が、的を射ていたからだ。私は確かに、あの時エフェリアお姉様と口にしたことを後悔している。
 もしもあそこで、私がオルディアお兄様と言っていたら、結果は変わっていたかもしれない。そんな思いは、ずっと抱えていた。

「言っておくけれど、クラリアが気にするようなことは何もないからね。仮にあの時、クラリアが僕のことを兄と言っても、マネリア嬢は止まらなかっただろう。彼女に物事を冷静に判断する能力があったとは、思えないからね」
「……言われてみれば、それはそうかもしれませんね」
「……まあだからといって、クラリアが気にしないなんてことは無理な話か」

 オルディアお兄様の理論は、もっともだ。確かにあのマネリア嬢が私の言葉に耳を傾けたとは、あまり思えない。その判断ができる程に、マネリア嬢は冷静ではなかった気がする。
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