妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?
 しかしこれもまたオルディアお兄様の言う通り、私の心はあまり晴れはしなかった。それとこれとは話が別だと、私は思ってしまっているのだ。

「オルディアお兄様に、何か考えがあったということもわかっています。でも、私はそれを止めることができた立場です。だけど止めなかった。そのことは私自身の責任として、受け止めるべきことだと思うんです」
「そうかい……クラリアは立派だね。その年でもう、貴族としての自覚を持っている」
「そうなのでしょうか?」
「うん。僕なんかよりも、強い子だと思う」

 オルディアお兄様の表情は、少し曇っているような気がした。
 私からしてみれば、オルディアお兄様の方が立派な貴族であるように思える。だけど本人は、そうではないのだろうか。どうやら色々と、思う所があるらしい。
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