妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?
「大体、私はあなたのことをそれ程知っている訳ではありません。あなたの方もそうだと思っています。一体あなたは、私の何を知っているのでしょうか?」
「し、知っています。レフティス様は素敵な方で……」
「あなたは私が婚約者を傷つけられて、何も思わない冷酷な人間であると思っていたのですよね。今回の件から考えると、そうなります」
「い、いや、そんなことは……」
「心外ですね。そういう人だと思われていたことが……やはりあなたと私は、相性が悪いということなのでしょうね」
「ち、違います!」

 ゆっくりと首を横に振るレフティスに対して、マネリアは手を伸ばした。
 しかし、当然その手を取るものなどはいない。レフティスはゆっくりと、彼女に背を向ける。
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