相思相愛・夫婦の日常~ひか♡ちな編~
そして、雷武とリナさんが来て家に上がる。

「………ん?
ちーちゃん、どうしたの?ご機嫌ななめ?(笑)」

リナさんがソファに座りながら、ちなちゃんの顔を覗く。
雷武も「ちな、どうした?」と心配そうにしている。

それもそのはず、ちなちゃんは俺の腕にしがみついているからだ。

「ちーちゃん、あんまりくっつくと、さすがの光琉くんも嫌がるわ!
手を繋ぐだけにしな!」

「嫌!」

「あ、リナさん。大丈夫だよ!
嫌じゃないから!」

あんまり、油を注がないで……!!

「いやいや…さすがにウザいでしょ?
光琉くん、はっきり言ってあげて?
ちーちゃん、このままだともっと、ワガママでウザくなるわよ?
今でも、ワガママな子なんだから。
ライライが亡くなったのもあって、特に雷武がかなり甘やかしたからね(笑)」

「うるせぇな!
可愛いんだから、しゃーねぇだろ!」

「うーん…ほんとに、嫌じゃないんだ。
むしろ、嬉しい!」

これは、本心だ。
ウザいと思わないことはない。
でも、本当に嬉しい。

「………」

「え?変かな?」

「変」

「そう?(笑)」

「………光琉くんも、千波信者ね!(笑)」
そう言って、リナさんが笑った。

千波信者とは、リナさん曰く………

“ちなちゃんの前では”何があっても怒らず、手も上げない。
更にちなちゃんの全てを肯定し、ちなちゃんに悪影響なモノ全てを敵と認識する人達のこと。

親戚達を含め、特に雷武と雷太、俺が当てはまるらしい。

ちなちゃんとリナさんの喧嘩も、雷武と雷太は100%ちなちゃんの肩を持っていた。

“溺愛”という言葉では収まらない程に、ちなちゃんに心酔し甘やかすということだ。


「ちな〜、みんなでどっか出掛けね?」
雷武が、窺うように言った。

ちなちゃんは俺の腕に抱きついたまま、首を横に振った。

「○○の道の駅は?
ほら、美味しいイカの塩辛あるだろ?」

「今日は、行かない!」

「そっかぁ…
パパ、淋しいな…」

「でも、今日はダメ!」

「ん、わかった!
ごめんな、ワガママ言って…」

雷武も、ちなちゃんには強く出られない。

ワガママなのは“確実にちなちゃんなのに”雷武が謝るのだった。


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