相思相愛・夫婦の日常~ひか♡ちな編~
「千波!!」 

それを見かねたリナさんが、ちなちゃんに声を荒らげた。

「………」

「いい加減にしな!!」

「………」

「千波!!
あんた、二十歳にもなってワガママばっか言うじゃないよ!!」

「………ごめん…なさ…い…」
ゆっくり俺から離れて、項垂れるちなちゃん。

「あ…リナさん!
そんな怒んないで?」

「そうだぞ!!
ちなは悪くない!!」

「外野は黙ってろ!!」

リナさんを宥めるように言う俺と、リナさんには強く言う雷武。

「あ…ママ、悪いのは私だから…
ひかくんとパパを怒んないで? 
ひかくん、パパ、ごめんね!」

ここでやっとちなちゃんは諭されたように、ペコッと頭を下げた。

「ん、わかりゃいいのよ!
ちーちゃん、喉が渇いたわ。
ママも手伝うから、コーヒー淹れて?」
微笑むリナさんにちなちゃんも頷いて、二人はキッチンに向かった。


「………リナさん、さすがだね」
そんな二人を見ながら、俺は呟いた。

「ん?」

「俺は、ちなちゃんには強く言えないから。
“嫌われたくない”って気持ちが邪魔して…」

「あぁ(笑)
俺も!(笑)」
雷武がクスクス笑う。

「でも……ちなちゃんも、リナさんの言うことはちゃんと聞くもんね!」

「そうだな!
ちなにとって、憧れだからな!
リナは!」

「尊敬する人なんでしょ?
昔、言ってた!」

「そう(笑)
俺じゃねぇんだよなぁ……」

「当たり前じゃん!
雷武は違うでしょ(笑)
乱暴者なんでしょ?
親父が言ってた!
“雷武はすぐ手が出るからね!”って」

「あぁ…(笑)
………つか!二人に言われたくねぇよ!
二人こそ“悪魔”じゃねぇか!」

「うるさいな…!」

そして、リナさんだけ戻ってくる。 

「ん?ちなは?」

「クッキー用意してくれてる」

「そっか!」

「光琉くん、ごめんね。
ワガママな娘で!」

「ううん!
確かに、強く言えないけど…
俺本当に、嫌じゃないんだよ?
てか、むしろ…嬉しいんだよね…(笑)」

「「は?」」

「昔から、ちなちゃんに声かけてくる奴がやたら多くて……
牽制しようにも、仕事中は無理だし。
だから“ちなちゃんが依存しててくれると”すっごく助かる!」

「「………」」

雷武とリナさんは、苦笑いしていた。



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