相思相愛・夫婦の日常~ひか♡ちな編~
「え?」

「お前、翔琉の息子だけあって半端ねぇもんな…精神的にも肉体的にも強すぎる。
それにどっかイカれてて、キレると半殺しじゃ済ませられない」

「………」

「俺が心配してるのは、その“狂気”
それを封印して、ちなの前で紳士でいられるなら認めてやってもいい。
俺だって、お前のちなへの想いはわかってるつもりだから。
雷太の代わりじゃなくても、お前はちなを愛してくれてるって。
“ちなのために”お前は紳士になれるか―――?」



――――――――――
――――――…………………

「え?猶予?」

「うん。
ごめんね、ちなちゃん。
俺のせいで、まだ認めてもらえない」

「待って!
じゃあ…私がパパを…!!
あ!それか、駆け落ちとか!」

「ちなちゃん!」

「え?」

「ダメだよ。
駆け落ちなんてしたら、二度と雷武とリナさんに会えなくなるよ?いいの?」

「でも…でも…
ひかくんと結婚したい…!!
だから私、大学も行かずに家事手伝いして……」

「大丈夫。
絶対、認めてもらえるように頑張るから!
俺が改めればいいだけの話だし!」

「何を頑張ればいいの?
私も、一緒にする!」

「ちなちゃんがどうのってわけじゃないから。
俺がしなきゃいけないことなんだ。
ちなちゃんは、俺を信じて待っててほしい。
ちなちゃんが大人になった時……
成人式に、籍を入れよ?
それまでに“変わってみせるから!”」

「“変わる?”
ひかくんは、そのままで十分素敵なのに?
…………うーん…よくわかんない…」

「ね?待ってて?」

「わかった!
待ってる!」

この日から光琉は、一切手を上げることを止めた。

“どんなにキレても、絶対に手を上げない”
そう誓約をたてた。

いつも穏やかで冷静。
そして千波がいる時は特に、優しくふわりと微笑み、大切に守り、慈しむようになったのだ。

千波が惚れ直すくらいに。

雷武はその年のクリスマス、デートに行く千波を迎えに来た光琉を見て、かなり驚愕した。

光琉って、こんな良い男だった?

光琉そのモノから、優しさと穏やかさ、そして甘さがにじみ出ていた。
そして千波も、光琉を見つめる表情が幸せそうだったのだ。

“受け入れるしかねぇな…!”

雷武は、千波の成人式後。

翔琉家族を食事に誘った。



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