上司と始める秘密の子作り契約?!~あなたのことを好きになってもいいですか~
 ――抱きたいときに抱ける女がいたらいいなって、ごめんな、俺そんなこと思う男だよ

 甘い言葉に声に騙される、勘違いさせられる。

 不破は最初にそう言った、不破のメリットはそこしかない。それこそが自分が求められる意味がある。

 子どもを望んでいるのは自分だけ。不破はそんなセリフ、一度も言ってはいない。

「あん!」

「あかり……」

 いつも、いつも不破はひとつになったら名前を呼ぶ。それも愛しそうに。それもまたあかりの胸を震わせた、同時に胸を切なく締め付けてくる。

 (ダメだ……どうしよう……抱かれるたびに胸が痛いよ……)

 肌を重ねることに慣れると怖くなる。抱き締められるたびに切なくなって、時間を積み重ねるほど、好きが見つかる。抱きしめられていたいと欲ばかり溢れ出す。

 自分こそ、不破を子供を産むための手段として利用しているくせに――。

「ぁ――、はぁ……いつき、さ……」

 抱き締めて不破を感じる、身体の中で疼く思いを不破が突いてくる。罪悪感と高揚感、その狭間でどうしようもなく苦しくて、あかり自身がその苦しさを受けとめられなくなってきていた。




< 63 / 197 >

この作品をシェア

pagetop