上司と始める秘密の子作り契約?!~あなたのことを好きになってもいいですか~
 それなのに――不破の腕は自分を抱き締めてくれるのに、あの時間は刹那的なものなのだ。

 それをどんどん感じる、満たされるようで埋まらないもの、傍にいるのに……遠く感じる。


「天野さん?」

「……ちがう」

「え?」
 
「うそ。彼氏なんか、いないよ」
 
「……」
 
「仕事、しよ」
 
「天野さん」
 
 真面目な本田の声に迷いながらも視線を送った。

 
「天野さん、自分が今どんな顔してるか自覚してます?」
 
「……ぇ?」

「そんな可愛い声だしてさぁ……勘弁してよ」

 さらっと髪の毛に触れられてあかりはまた身を固くした。
 本田の指先が毛先を弄ぶ、そうすることでふわっと香る整髪料の香り。本田がそれを感じ取ったのか、またくすっと笑って言うのだ。

 「最近の天野さん、本気で可愛いですよ?」
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