上司と始める秘密の子作り契約?!~あなたのことを好きになってもいいですか~
「背は?性格は?なんの仕事してるんですか?」

 それでも本田の問いかけに思い浮かべてしまう、不破を。むしろ不破しか浮かばない。

 年上で、背も高い。穏やかで優しくて、くだけた口調がちょっとだけヤンチャな感じがする。それでもきつさはない、ただフランクに聞こえるだけ。

「……本田くんに、関係ない」

 不破を考えて頭が沸騰してくる。人に問われて想像して不破という人物を客観視しだすとどんどん頭の中を支配される。

 名前を呼ぶ声が甘くて、見つめてくる瞳が真っ直ぐだ。その真っ直ぐな瞳に見つめながらキスされると何も考えられなくなる。
 
 抱き締められる腕の力は強いのに優しい。抱え込むみたいに包んでくれる。その胸の中に抱かれたら胸がふわっと緩んで自然と自分の腕を背中に回してしまう。

 抱き締め合う時間が好きだ。

 不破の腕の中で、胸に頬を寄せて自分自身も不破を抱きしめるとひとりじゃないと思える。

 寂しくなくなる。

 抱き締められたら、とんでもないくらい温かいのだ。物理的にも、心理的にも。

 それなのに――。
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