Embrace ーエリート刑事の愛に抱かれてー
そのときスマホの着信音が鳴り響き、小夜はビクッとした。
誰から連絡が来ても、絶対に対応するな・・・
桂木には強くそう念を押されていた。
着信元は知らない電話番号からだった。
小夜は耳を塞ぎ、スマホを遠ざけた。
早く鳴り終われ・・・
そして着信音が鳴り終わり、ホッとしたのもつかの間、小夜が恐る恐るスマホを掴むと、留守電の表示があった。
一体、誰・・・?
みのりや両親の電話番号は登録されているし、他に自分に電話してくるような人間は思い当たらない。
小夜は不安な思いで、留守電のメッセージを再生した。
電話の向こう側では、嬌声とざわめき、そしてかすかにチャイムの音が聞こえた。
相手はしばらく無言のままだ。
学校から電話をかけてきた・・・?
すると突然、若い女の子の今にも泣き出しそうな声が小夜の耳に届いた。
「・・・小夜さんですか?聞いてもらいたいお話があります。ふたりだけでお会いできませんか?今日の15時に池袋西口のマックで黄色いスマホを持って待っています。このことは誰にも話さないでください。お願いします。」
そして通話は突然切れた。