Embrace ーエリート刑事の愛に抱かれてー

「おめでとうございます。妊娠8週目ですよ。」

診察台に寝かされ、エコー検査の画像を見ながらそう告げる医師の言葉に、小夜の心は嬉しさで一杯になった。

「で、どうされます?」

医師が小夜の顔色を伺うように尋ねた。

「産みます。」

小夜はキッパリとそう言った。

小夜に堕ろすという選択肢はなかった。

もちろん不安はある。

初めての経験だ。

自分の身体や心はどう変わっていくのだろうか?

悪阻が続けば、仕事にも影響が出てしまう。

さらに結婚前に身ごもった自分に、周りはどういう反応をするのか。

そして一番大事なお金の問題・・・

けれど、それらを凌駕するほど、自分の中に新しい命が宿ったことへの喜びの方が大きかった。

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