Embrace ーエリート刑事の愛に抱かれてー

ふたりは落合広之が殺された自宅マンションの管理室で、防犯カメラの映像を目を皿のようにしてみつめていた。

犯行があったと思われる午後の映像を何回も再生してもらう。

下条小夜が16時に図書館を出たなら、このマンションに着くのは17時前後だ。

しかしその時間帯の映像に、やはり下条小夜らしき姿は見当たらない。

「この女性、見かけませんでしたか?」

野間が小夜の写真を管理人に見せる。

「いやあ・・・。確かなことは言えないけど、僕は見たことないねえ。」

管理人が首を傾げた。

15時過ぎにオートロックの玄関を通り過ぎていく制服姿の女子高生を見て、管理人がその画像に向かって指をさした。

「そういえばこの女子高生、たまに来るねえ。」

「イケジョの制服だな。」

野間が囁いた。

イケジョ・・・池袋女子緑高校の略称だ。

たまに補導される生徒がいる、署内でも有名な高校だった。

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