Embrace ーエリート刑事の愛に抱かれてー

「その後どうした?」

「私はしばらく呆然と座り込んでいた。血まみれの広之さんの隣には、気絶したあの子が倒れていた。ここで私が消えれば、全部その女子高生に罪を被せられる。そう思ってすぐに部屋から逃げた・・・。」

「いままで言ったことに嘘はないな?」

「はい・・・。」

美緒は目に涙を浮かべた。

「大学時代からずっと広之先輩が好きだった。やっと小夜先輩と別れて、私に振り向いてくれたと思ったのに・・・・・・」

あんなクズ男の為に、少なくとも3人の女が泣いた。

刑事としての自分はともかく、ひとりの男としてこの荻野美緒にも同情するところはある・・・と桂木は思った。

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