Embrace ーエリート刑事の愛に抱かれてー
ベビーベッドの上では、ウサギやクマの人形がぶら下がっているメリーが優しい音楽を奏でながらゆっくりと廻っている。
その様子を希がおおきな眼で追っていた。
初めての子育ては思っていた以上に大変だった。
小夜はあまり母乳が出ず、最初の一週間はなんとか搾乳機で絞り出したが、その後は粉ミルクで育てることにした。
そして毎日の沐浴、おしめ替え、その合間に家事もしなければならず、大忙しの毎日だ。
桂木は仕事柄夜遅く帰ることが多く、なかなか希と触れあえないとぼやいているが、非番の日は希をずっと抱いて離さない。
「俺が見てるからゆっくり休め。」
そう言って希の面倒をみてくれる。
桂木がこんなに子煩悩なパパになるとは、小夜は正直期待していなかった。
嬉しい誤算だ。
「チュンチュン」
その様子を白文鳥のマシュが見守ってくれている。
マシュはこの家では希の先輩だ。
みのりも無事弁護士試験に合格した水野と結婚し、小夜と同じ時期に出産した。
友達からママ友になり、育児の情報交換をするようになった。