Embrace ーエリート刑事の愛に抱かれてー
みのりと別れ、自宅のアパートへ帰った小夜は、誰もいない暗い部屋の電気をつけ、フォーマル用の靴を脱いだ。
履き慣れない靴で足先がジンジンと痛い。
しかしそれよりも、心の方が何十倍も痛かった。
小夜は着替えもせず、ベッドに倒れ込んだ。
「私の人生って・・・一体なんなんだろう・・・」
これからも誰かの踏み台になって生きていくの?
誰からも求められずに生きていくの?
・・・ううん。
私にはまだこの子がいる。
この子さえいれば何もいらない。
「ママ、強くなるからね。」
小夜は自分に言い聞かせるように、お腹の子にそう呼びかけた。