Embrace ーエリート刑事の愛に抱かれてー

みのりと別れ、自宅のアパートへ帰った小夜は、誰もいない暗い部屋の電気をつけ、フォーマル用の靴を脱いだ。

履き慣れない靴で足先がジンジンと痛い。

しかしそれよりも、心の方が何十倍も痛かった。

小夜は着替えもせず、ベッドに倒れ込んだ。

「私の人生って・・・一体なんなんだろう・・・」

これからも誰かの踏み台になって生きていくの?

誰からも求められずに生きていくの?

・・・ううん。

私にはまだこの子がいる。

この子さえいれば何もいらない。

「ママ、強くなるからね。」

小夜は自分に言い聞かせるように、お腹の子にそう呼びかけた。


< 23 / 163 >

この作品をシェア

pagetop