Embrace ーエリート刑事の愛に抱かれてー
桂木は腰にバスタオルを巻き、浴室へ入って行った。
小夜は浴室からシャワーの音が聞こえると、素早く衣服を身につけた。
俺にはお前が必要だ、という桂木の言葉は小夜の自害を止める為の方便だろう。
自分は桂木にふさわしい女ではない・・・
自らの財布から千円札1枚を引き抜き、小夜はベッドサイドのテーブルに置いた。
少しはホテル代の足しになるだろうか。
「桂木さん・・・ありがとう・・・」
小夜はそうつぶやき、音を立てないようそっと重いドアを開け、部屋を出た。