Embrace ーエリート刑事の愛に抱かれてー
「おい。飲み過ぎだぞ。その辺にしておけ。お前はもうすぐ警視庁の捜査一課に抜擢されるエリート刑事だろ?」
行きつけのバー「薫」のカウンター席の横に座る同僚の野間透が桂木を咎めた。
野間の細いフレームから覗く小さな眼が、桂木を呆れたように眺めている。
「うるせえな。俺の金で飲んでるんだ。好きにさせろ。」
「しかし、今日のお前も荒れてたな。もう少し穏やかに取り調べ出来ないもんかねえ。」
「・・・・・・。」
もうウイスキーのロックを5杯は空にしている。
桂木は朦朧とした頭で、下条小夜と過ごした夜のことを思い出していた。
身体の相性が良かった、というのは嘘ではなかった。
けれど脆く壊れてしまいそうな小夜の身体を抱きながらこうも思った。
この女を俺のものにしたい・・・と。