Embrace ーエリート刑事の愛に抱かれてー

それ以外にも捜査資料には、落合のスマホ履歴から割り出された関係者の名前とその詳細が載っていた。

大学時代の友人や後輩、広告代理店に勤めていた頃の同僚、そして関係した女の名前・・・

その中に小夜の名も加えられている。

『下条小夜。24歳。大学のサークル時代から被害者落合広之と恋愛関係になり、今年1月に破局。下条小夜には産婦人科の通院履歴があり、2月の初旬に流産。胎児は落合広之との子と思われる。怨恨による動機有り。要監視対象者』

「ふざけんな!」

桂木は資料の用紙を床に叩きつけた。

小夜は4年も落合に尽くし、金を奪われ、心身共にボロボロに傷ついた。

それなのに今度はそんなクズの為に容疑者になれっていうのか・・・

こんな奴、死んで当然だ。

いや、もし今も生きていたら、俺が殺していたかもしれない。

小夜をいち早く俺の部屋に避難させて正解だった・・・

桂木は怒りで体中の血が熱くなった。

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