Embrace ーエリート刑事の愛に抱かれてー
サングラスを外した桂木は、小夜を見つめた。
「お前にもっと初めてを与えてやりたい。」
「・・・・・・。」
「そんなことを思うような女と出逢ったのは、俺も初めてだ。」
「桂木さん・・・。」
「お前の全てを俺のものにしたい。これが独占欲っていう奴か?」
桂木はそう言うと、照れくさそうに笑った。
小夜は言った。
「出逢った瞬間から、私の命は桂木さんに預けたんだよ?」
「ああ・・・。そうだったな。」
「離れたくない。」
小夜は桂木の腕に自分の腕をぎゅっと絡ませた。
「・・・俺もだ。」
小夜と桂木は真夜中の暗い海を、ただじっと眺めていた。