true or false~銀縁眼鏡を外した敏腕弁護士は、清純秘書に惑溺する
そして、迎えた土曜日。
待ち合わせ場所に、三多君は待っていて、私の姿が見えると、大きく手を振っていた。

「三多君、早かったね」
「だって、深澤に早く会いたかったから」
そんな風に言われると、嘘でも嬉しい。
「もっとお洒落な所と思ったけど、日頃の嫌な事を忘れたくて・・・」
「ううん、凄く気持ちいいよ。三多君、夜も遅いし、休日出勤があるなんて、仕事、忙しい部署なの?」
「あ、あぁ・・・営業部で立場あるポジションになったんだ」
「凄いね。でも、三多君なら分かる気がする」
照れ笑いすると鼻を触る癖・・・三多君、こう見ると変わってない。

2人で高校時代の話をしながら川沿いを歩き、ベンチに座った。
「会ってくれてありがとう。俺、あれから深澤のことばかり考えていたんだ」
「私のこと?」
「うん・・・あの時、自分の気持ちに嘘つかずに、素直に付き合っていたら、今頃は・・・」
手を握られると、咄嗟に手を引いた。

「ごめん、好きだった人が目の前に現れて・・・嬉しすぎて、実は昨日もよく眠れなくて・・・」
三多君は、私を覗き込むと、私の背中に少し触れるくらいに、ベンチの背もたれに腕を伸ばした。
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