true or false~銀縁眼鏡を外した敏腕弁護士は、清純秘書に惑溺する
私の頬を触ろうとした瞬間、
「ご、ごめんなさい!急がないと!」
慌てて、その場を立ち去った。
1番会いたくなかった人に・・・連絡先、教えちゃった・・・

帰り道は、三多君との会話が頭から離れず、気がついたら家に着いていた。
「お腹・・・空いたなぁ」
誰もいない部屋で呟いた第一声・・・
恋人経験ゼロの私は、キャパ越えして色気のない言葉を発した。

携帯をテーブルに置くと、メッセージを知らせる着信音が鳴り、画面を見ると・・・
三多君からだ・・・

『直接会って話をしたい。夜は遅くまで仕事だし、休日出勤も多くて、電話ではゆっくり話す時間が無いんだ』
『話って、何?』
今日の話の続き・・・どうやって対応していいか、分からない。
『会いたいんだ』
その後に続く内容は、待ち合わせ時間と場所。
時間は、今週の土曜日の午後1時。
待ち合わせ場所は、駅のショッピングモールから、少し離れた、広々とした公園。
人混みが嫌なのかなぁ・・・
『待ってるから』 
そのメッセージの後、涙を流しながら、お願いしてるスタンプが届いた。

それを見た瞬間、思わず口元が緩む。
こんな風に、男の人と連絡することなんて無かったから・・・
『分かった』
返事をして画面を閉じ、携帯を置いた。
付き合ったら・・・毎日、こんなやり取りをするんだよね・・・

またアプリを起ち上げて、今のやり取りを見直した。
三多君に対して、未だ恋愛感情は戻らないけど・・・
せっかく声を掛けてくれたんだから、慌てず自分の気持ちを確かめよう・・・
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