true or false~銀縁眼鏡を外した敏腕弁護士は、清純秘書に惑溺する
ただ・・・
弁護士という肩書きがあるのに、どうして、あんなことをしているんだろう・・・
事務所を開業して、間もないみたいだし、3階分も家賃を払ってるから、資金繰りに困っているのかなぁ・・・
でも、弁護士なのに、あんなこと知れたら、それこそ・・・

「深澤さん?どうかしましたか?」
「あっ、いえ・・・」
「隠し事はいけませんよ。これから一緒に仕事をしていく仲間ですから」
言葉にするのも恥ずかしいけど・・・
陰で話をしないと他の人に聞かれますよって、言った方がいいよね・・・

「あの・・・喫茶店で女性との話が聞こえてしまって・・・」
心聖で、艶麗な女性達との話を想像すると、聞いた内容を口に出そうとしても、恥ずかしくて顔が熱くなり、簡単に返事をした。

「これからは、他の人に聞かれないようにした方がいいと思います・・・私は、誰にも言いませんから・・・」
「誰にも言わない?・・・あっ、もしかして、2人の女性達のことかな?」
「はい・・・」
私がバツの悪い顔をすると、片桐さんはフッと笑って、
「あの人達はね、昔からのお得意様、あぁ、変な意味じゃないよ。依頼人としてね」
あの時のことを話し出した。
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