どん底貧乏美女は夢をあきらめない
「これはいいなあ。あっさりした
甘さで儂でも食べられるよ
人参のシフォンケーキも甘さ控えめで
美味しかったし、本当に料理が上手だ」

お父さまも大絶賛してくれて、二人であれこれ言いながら楽しそうだ。

大吾と顔を見合わせて、ほっとしていると

「ところで美玖さんのお家はどんな
ご商売をされているの?」

とお母様が聞いてきた。

”とうとう来たよ!”と思いながら、美玖は本当の事を正直に話そうと思っていた。

「父は高校教師で母は専業主婦です。
長野の田舎なんです。母は自宅の庭で作った
野菜で料理を作るのが趣味みたいなものです
月に一度は手作りの野菜を送ってくれます。
食べ盛の弟が二人いて、大学進学も
控えているので生活は楽ではありませんが、
みんな仲良しで大好きな家族です。
名門の家でもお金持ちの家でもないので、
きっとご不満だと思います。でも、
大吾さんの健康を考えて料理をすることは
得意です。仕事の面でもサポートして
いきたいと思っています」

「美玖は大学の後輩にあたるんだ。
奨学金で入学して卒業まで成績は落とさ
なかったんだよ。俺より優秀だ。
仕事の面でも頼りになるパートナーなんだ。
前職は秘書だったから、俺の秘書としても
スケジュール管理から何もかもやって
もらってるんだ」

「高校の先生ね」

お父様のテンションが急激に下がっていくのが、よくわかった。
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