どん底貧乏美女は夢をあきらめない
そこで、大吾が仕事の話をお父様に振ったので二人は仕事モードになっていった。

今、榊グループから、軽井沢のリゾートホテルの全面リニューアルの案件が大吾さんに来ている。

とても古いホテルらしく耐震工事からのテコ入れのようだ。

二人はその後も仕事の話が終わりそうもない。

お母様は仕事の話は解からないのでつまらないと不満そうだ。

「そうだ。美玖さん私に野菜のクッキーの
作り方を教えて下さらない?
難しいかしら?」

ということで、美玖はお母様とかぼちゃとほうれん草のクッキーを、作ることになった。

大吾さんとお父様はリビングで図面を見ながら仕事の話、美玖とお母様はキッチンでクッキー作りとあいなった。

クッキーは作ったことがないと言うお母様だったが、スイーツ好きなこともあり結構きびきびと美玖の指示通りに材料を図ってこねて型抜きまで一気に仕上げた。

美玖が手際が良くて初めてとは思えないと誉めると、とてもうれしそうに笑ってくれた。

「息子の彼女とキッチンに立って、
クッキー作る時が来るなんて、
思ってもみなかったわ。
ありがとう美玖さん。楽しかったわ」

涙目でお礼を言われて、恋人のふりをしている身としては申し訳なくて、悲しくなってしまった。

クッキーの焼き上がりを待つ間にさっとお昼ごはんを用意した。

油揚げを甘辛く煮つけておいたので、きつねうどんとさっき炊き上がったキノコの炊き込みご飯だ。

それに、作り置きの人参とちくわのきんぴらとほうれん草の胡麻和えをテーブルいっぱいに並べた。

うどんは小さなどんぶりに少な目にした。

ザ・家庭料理だ!フレンチでもイタリアンでもない。

お二人の口に合うかこわごわ二人が食べるのを見ていると、お母様が目を輝かせて美玖を見つめた。
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