どん底貧乏美女は夢をあきらめない
「あら、嬉しいわ。私甘いものが
大好きなのよ!
特にホテル・ラ・ルミエール東京の
ロビーラウンジのケーキはどれも
美味しくて、有名なパテシエが
作っているのよね?」

知っているのが当たり前のようにお母様は美玖に相槌を求めた。

4つ星ホテルのケーキが大好きと言われては、人参のシフォンケーキなんて出せないと一瞬ひるんだが、ここで引いては女が廃る。

胸を張ってお母様に微笑んだ。

「ホテルのケーキには遠く及びませんが、
今日は人参のシフォンケーキを
作ってみました。色がきれいなので、
目で見ても楽しんでいただけるかと思って…
そんなに甘くはないのでお父様もぜひ
一口でも召し上げってみてください。
今お持ちしますね」

そういって、キッチンに戻りシフォンケーキを切り分けて、お父様達は紅茶派だと言うことで、買っておいた高級茶葉で入れた紅茶と一緒にリビングに持って行った。

二人とも美味しいと言って食べてくれて美玖は一安心した。

「やっぱり手作りのケーキって最高ね。
優しい味で癒されるわ。
こんなにふんわりと焼き上げるなんて
すごいわ。まるでプロね。
どこで習ったの?」

「ありがとうございます。ただ本を見て
作った自己流なんです。野菜が好きで、
秋になるとさつまいもでスイートポテトを
よく作ります。昨日野菜のクッキーも
作ったんです。持って帰ってくださいね」

野菜のクッキーだけでなくナッツのクッキーも硝子の器に入れてテーブルに置いた。

「まあ、きれいグリーンやオレンジや
黄色いものもあるわ。
野菜のクッキーなんて体によさそうね。
あなたも少し食べてみたら」

お母様はテンション高く、これはカボチャね。こっちは人参、そしてこれはほうれん草?と言って楽しんでいた。

釣られてお父様もクッキーをつまんでいた。
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