どん底貧乏美女は夢をあきらめない
「まあ、このおうどん初めて食べるわ。
お揚げさんが甘くて美味しいわね。
美玖さんて天才ね。どうやって
考え付くの?」

「えっ、きつねうどん食べたことないの?」

驚いて大吾が言うと

「へえ~、きつねうどんっていうの?」

と言いつつ、どんぶりを持ち上げてみたり中を覗き込んでいたりするお母様に

「何を、やっているんだ母さん」

と大吾

「だってきつねうどんっていうから、
どこかに狐の絵が描いて
あるのかと思って…」

それを聞いて、三人は一斉に噴き出した。

お父様は慌てて飲み込んだらしく、笑いながら咳きこんで、うどんが鼻に入ったと言って大慌てで、洗面所に駆け込んでいった。

美玖は笑いながらも、きつねうどんを知らないってどんだけ深窓のご令嬢だったんだと、

あまりのお育ちの違いに、唖然とした。

「狐ってさ、油揚げが好きって
言われてるだろう?だから揚げの入った
うどんをきつねうどんって言うんだよ。
ほんとどれだけ世間知らずなんだよ。
恥ずかしいよ」

「ごめんなさい。でも一つ勉強になったわ
美玖さんは、ほんとにあっという間に
作っちゃったのよ。
それもこんなに美味しくすごいわね。
私なんて何にもできないし
何にも知らないのに…」

お母様は悲しそうに俯いた。
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