どん底貧乏美女は夢をあきらめない
そして今日は2回目の但馬リゾートトラステイとの打ち合わせ。

軽井沢リゾートホテル再生チームとの打ち合わせなのだが、実質初回面談となる。

前回は大吾が一人で顔合わせに行ったのだが、但馬社長と玲子の二人だけでまるでお見合いのように玲子は着飾っていたらしい。

お見合いはしっかり断ったはずなのに仕事の話より趣味はとか、社長が玲子は料理が得意だとか売り込んで来て仕事の話は全然できなかったらしい。

今回は実質ホテル再生を目指して動いていくチームとの1回目の会合となる。

大吾は自己紹介と美玖を婚約者で、大吾の仕事のアシスタントをしているとみんなに紹介した。

美玖の横にいた玲子は

「婚約者面していられるのも今の内だけよ」

と美玖だけに聞こえるように言った。

美玖はしれっとして聞こえなかったふりをする。

心の中では”負け犬の遠吠えね。ほざきやがれ!”とこき下ろしておいた。

会った時から美玖に敵愾心を丸出しにしてくる玲子にうんざりしていたのだ。

やれこのお洋服は有名ブランドの新作なのよとかそのブランドの今度のパーテイには呼ばれているのだとか美玖にすれば”知らんがな!”と突っ込みたい内容だった。

そんなことが自慢になる理由がわからない。

美玖には馬耳東風、馬の耳に念仏状態だ。

もう少し楚々とした優しいお嬢様なら嘘の婚約者として、申し訳なく思ったのだろうが、大吾が嫌がる気持ちがよくわかる。

大吾に対してもスキンシップが多すぎてチームの皆もさすがに引いていた。

そんなことも気付かないお嬢様にあきれてしまう。

しかし仕事はしなければならない。

前途多難だ。

スタッフの意見や希望を聞き取りして何とかコンセプトとこれからのホテル経営の方向性を決めたい大吾は、若干イラつきながらも会議を引っ張っていった。
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