どん底貧乏美女は夢をあきらめない
そうして、半年後但馬リゾート軽井沢ホテルは、リニューアルオープンした。

繁華街から離れた位置にあり不利な立地を逆手にとって、広い敷地を活かしアスレチック施設を敷地内に新設した。

そしてイベントのメインは毎週3回ほど天気の良い日に裏の林を整備して作られた“星を見るテラス”で開催される星を見る会だ。

夏休みや、ゴールデンウイークなどはほとんど毎日行われる予定だ。

ターゲットをファミリー層を中心に考えて、全室スイートとした。

冬の寒い時期や雨の日でも星を楽しんでもらえるように、館内に小さなプラネタリウムを作った。

そこの運営は専門の会社が行ってくれているのだが、そこでは外ではできないような音楽にのせて星の神話や物語が語られる。

また50年前の今日の星空や100年前の今日の星空が、映し出される時もある。

冬と夏の星空の違いなどを子供達にも解りやすく実際に星を見ながら教えてもらえる。

ホテルがオープンしてみると、このプラネタリウムがとても好評で,半年たった今では一日3回ほど上映がされている。

そして、このプラネタリウムを見てから、外での星を見る会に行くというのが定番になりつつある。

その時もプラネタリウムの担当者が一緒に行ってくれて解説してくれるのだ。

ホテルの名前も”星を見るホテルイン軽井沢“とされた。

大吾は建物の外観はあまり変えずに,木目調のタイルを各階層の境に横張りし自然に溶け込むような空間作りを目指した。

元の外壁はレンガ調のタイルが貼ってあったので木目調のタイルをプラスすることで、高級感と落ち着いた雰囲気の外観になった。

タイルとは思えない木の質感が表現されている。

玄関のアプローチも木の雰囲気を大切にした。

アプローチから車寄せまで長短の木が塀のように続きところどころに、モダンなトーテンポールのような遊び心のあるモニュメントがたっている。

建物正面の一階部分の玄関回りは本物の木が壁に貼られている。

大吾は木の質感が大好きなのだとか、ここは少し奥まってドアがあるので、雨に当たることも少ないしメンテナンスもしやすい場所になる。

やはり本物には敵わない、木の温もりや香り古くなってもアンテイーク感が出てくるし、一枚一枚すべて木目も違う作りものとは異なる自然の美しさがそこにはある。
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