どん底貧乏美女は夢をあきらめない
授賞式の日の前日、大吾のお母様がマンションに、明日着る着物を持ってきてくれた。
実際着る服がなくて、やっぱり玲子の言葉通り行かない方が良いのかもと珍しく弱気になっていた美玖だったので、とてもありがたかった。
大吾が頼んでくれたようだ。
淡い藤色のベースの訪問着には落ち着いた色の菊の花が描かれていた。
時々刺繍されている部分もありとても高貴な雰囲気の訪問着だ。
菊はおめでたい花で吉祥文様の一つでもある。
てまりのようなコロンとした菊の花が若々しく、お母様の若い時の着物だそうだ。
帯も豪華な金糸が入っている。
それに帯締めや帯揚げを紫で合わせている。
さすが、センスのいいチョイスだ。
当日の着付けもホテルの美容室に頼んでくださっていて至れり尽くせりだ。
そして授賞式当日、びしっとスーツを着てイケメン度を何倍にも上げた大吾と豪華な着物姿の美玖に、周りの人々は美男美女カップルだと言って写真を一緒にと何人もの人に言われて、何度も足を止めた。
それを悔しそうに見ていた玲子がわざわざ美玖のところにやってきて
「馬子にも衣裳ね。衣装が勝ってるけど…」
と言ってきた。
”ほっとけ!この嫌味女”
ともちろん心でつぶやいて顔ではクールに、アルカイックスマイルをかましておいた。
大吾は大賞受賞の挨拶での時、美玖やスタッフをステージ下で待機させていた。
自分の事務所をもって1年もしないうちにこのような名誉な賞をいただいて感謝しているとまず挨拶し、自分を支えてくれる婚約者や事務所のスタッフのお陰とみんなを振り返って拍手を送ってくれた。
美玖も浩平も久美も由紀子も顔を赤らめてみんなで会場を見渡して頭を下げた。
大きな拍手をもらって今までの努力が報われるようでうれしかった。
授賞式後はスタッフ四人と大吾も一緒に食事に行った。
食事というより、飲み会のようだ。
美玖は借りた着物を汚せないので着替えてから後で行くことにした
やはり大吾は玲子の言うような榊のご老体や玲子達親子と会食に行く予定なんかなかったのだ。
”ざまあみろ!”と美玖は、パーテイ会場を去り際に大吾に腕を絡ませて玲子にどや顔をしてやった。
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実際着る服がなくて、やっぱり玲子の言葉通り行かない方が良いのかもと珍しく弱気になっていた美玖だったので、とてもありがたかった。
大吾が頼んでくれたようだ。
淡い藤色のベースの訪問着には落ち着いた色の菊の花が描かれていた。
時々刺繍されている部分もありとても高貴な雰囲気の訪問着だ。
菊はおめでたい花で吉祥文様の一つでもある。
てまりのようなコロンとした菊の花が若々しく、お母様の若い時の着物だそうだ。
帯も豪華な金糸が入っている。
それに帯締めや帯揚げを紫で合わせている。
さすが、センスのいいチョイスだ。
当日の着付けもホテルの美容室に頼んでくださっていて至れり尽くせりだ。
そして授賞式当日、びしっとスーツを着てイケメン度を何倍にも上げた大吾と豪華な着物姿の美玖に、周りの人々は美男美女カップルだと言って写真を一緒にと何人もの人に言われて、何度も足を止めた。
それを悔しそうに見ていた玲子がわざわざ美玖のところにやってきて
「馬子にも衣裳ね。衣装が勝ってるけど…」
と言ってきた。
”ほっとけ!この嫌味女”
ともちろん心でつぶやいて顔ではクールに、アルカイックスマイルをかましておいた。
大吾は大賞受賞の挨拶での時、美玖やスタッフをステージ下で待機させていた。
自分の事務所をもって1年もしないうちにこのような名誉な賞をいただいて感謝しているとまず挨拶し、自分を支えてくれる婚約者や事務所のスタッフのお陰とみんなを振り返って拍手を送ってくれた。
美玖も浩平も久美も由紀子も顔を赤らめてみんなで会場を見渡して頭を下げた。
大きな拍手をもらって今までの努力が報われるようでうれしかった。
授賞式後はスタッフ四人と大吾も一緒に食事に行った。
食事というより、飲み会のようだ。
美玖は借りた着物を汚せないので着替えてから後で行くことにした
やはり大吾は玲子の言うような榊のご老体や玲子達親子と会食に行く予定なんかなかったのだ。
”ざまあみろ!”と美玖は、パーテイ会場を去り際に大吾に腕を絡ませて玲子にどや顔をしてやった。
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