どん底貧乏美女は夢をあきらめない
授賞式には、榊グループや但馬リゾートも呼ばれていたのだが、その前日玲子は美玖に

「ねえ、美玖さん明日の授賞式には
大吾さんと一緒に私が賞をもらう事に
なっているの。だからあなたは別に
いらっしゃらなくてもいいんじゃない。
榊のご老体も出席予定だから、
大吾さんの横には私がいた方が
いいと思うんだけど」

”へ~、そうかよ”と心の中でつぶやきながら

「大吾さんに聞いてみますね。
でもKAI空間設計事務所のみんなは
出席予定なんです。
そのあとお疲れ様会も予定しているので…」

「あら、但馬の父と榊のご老体も一緒に
そのあと会食の予定なのよ。
もちろん大吾さんも一緒にね。
そちらは大吾さん抜きで従業員だけで
お疲れ様会をされたらいいわ」

”ふざけんじゃないよ!”と心の声。

「でも、大吾さんはそんな予定はなかったと
思いますが、場所も大吾さんが予約して
くれていて、みんな楽しみに
しているんですよ」

「でも、あなたそんな大きなパーテイに出席
できるようなお洋服持ってらっしゃるの?
いつものような安物のスーツの着回しなんて
着て行ったら、大吾さんに恥をかかせる
ことになるのよ。そういうパーテイにはね
パーテイドレスっていうものが必要なのよ。
色々お洋服にもマナーがあるのよ」

と延々と語り始めた。”ウザイ!”と思わず叫びかけた。

「ご教示いただきありがとうございます。
とにかく大吾さんに確認いたしますので…」

「その必要ないわよ
あなたが来なければいいだけじゃない」

”なんでやねん。私は婚約者だもんねえ”と心の中で反論しておいた。
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