どん底貧乏美女は夢をあきらめない
最後は懐石のお食事を頂くことになっていた。

これは全員で頂いたので、玲子は、試験はもう済んだと思ったようだが、美玖はお爺様の事だ食事のマナーもしっかりとチェックさせているに違いないと思った。。

ほんと食えない狸じじいだ。

美玖は所作を勉強するときに一番しっかりと勉強したのがこの食事のマナーだ。

秘書として会食の席にも社長と出ることが多かったので、フレンチや和食、中華なども網羅した。

何なら日本酒やワインにも詳しい。

そうして味はあまりわからなかったが、所作だけは美しく懐石を頂くことができたと思う。

その後、試験の結果がお爺様から発表された。

茶道が引き分けでそれ以外は全て美玖の勝利で勝負はついた。

玲子は全然納得しなかったが、最後にお爺様が

「夢野美玖は、人間としても働く女性
としても最高ランクの人材だ。
大吾、美玖を離すなよ」

と拍子抜けしたことを言い出した。

お婆様はその隣で相変わらずニコニコして

「よかったわね美玖さん。
これから二人で良い家庭を作ってね」

と言ってくれた。

大吾と美玖の結婚はこの時榊家に認められたのだ。

お母様はことのほか喜んでくれた。

憮然とした玲子が但馬社長と奥様とそそくさと帰っていった。

まさか自分が負けるなんて思いもしなかっただろう。

美玖ももう少し苦戦すると思っていたが、最初の着物の着付けで和室に入る時の玲子のマナーも知らない様子にこれはいけると後は余裕で勝負できた。

始めて本格的に着物を着て花を活けたので、とても楽しかった。

こんな機会がなければできなかったと思うと爺様に少しは感謝した。

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