人間が苦手なクールな獣医師が恋をして一途に迫ってきます
「人の好き嫌いは仕方がない。しかし、無実の人に罪を着せてここから排除しようとするその考え方は人間として残念で仕方がない。俺が大事に育てたせいでこんなふうになってしまったのかと深く反省している。退職するのはお前だ。ちゃんと罪を認めて反省するんだ」
 厳しい表情と声でまりえさんに伝えると、彼女は崩れ落ちるようにしゃがみ込んだ。
「今までの人生うまくいかなかったことなんてない。この子が来てから……! 私の人生の調子が狂ってしまったの!」
 広大さんがゆっくりとまりえさんに近づく。
「それは違うんじゃないですか?」
「え?」
「環境や人のせいにしてはいけない。環境や人は変わらないんです。自分が考え方を変えなければ幸せを手にすることはできないのでは?」
 広大さんが私に視線を移す。
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