人間が苦手なクールな獣医師が恋をして一途に迫ってきます
「炎上事件などあって院長と話すこともあったんだが、病院の利益を優先することしか考えない発言をしていて、俺にはどうしても合わないと思った。たしかに利益が必要なのも理解できるが、大切なことを忘れている気がする」
 黙って私は話を聞いていた。
「実は小動物を専門としている知り合いの医者がいて、その人と共同で開業したいっていう話になって」
「なるほど」
「実際に対応できるためには、事業計画書を出して必要な書類を作ったり、税理士や行政書士にいろいろ教えてもらいながらやったり、物件も探さなければならないし、物件が見つかれば一緒に働いてくれるスタッフ探しにしなければならない。そしてもちろん宣伝もしなければいけないし、大変なことばかりかもしれないが挑戦してみたいんだ」
 強い信念があって頑張りたいというのであれば私は応援したい。
「私にできることがあれば言ってください」
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