人間が苦手なクールな獣医師が恋をして一途に迫ってきます
「ありがとう。会員の準備をしながら仕事をするというのはかなり厳しいから、今月いっぱいで仕事はやめようと思っている」
「わかりました。一緒に働けなくなるのは少し寂しいですけど、心より応援してます。体だけはどうか無理しないでください」
「そうだな」
 そこで話が途切れたらまだ何か言いたそうな顔をしていることに気がつき顔をじっと見つめる。
「由香も一緒に俺の病院で働いてくれないか?」
 即答できない自分がいた。
 まりえさんが退職してから様々なことを任せてもらえるようになり、今の職場でもう少し働いてみたいと思う一方で、専門学校でトリマーの勉強をしたい気持ちもある。
 どうすればいいのだろうか。
 自分の心の中ではっきりした答えが決まっていない状態だった。
 今の話を聞いて私も夢に向かって歩き出すべきなのではないかと思えた。
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