人間が苦手なクールな獣医師が恋をして一途に迫ってきます
第二章
第二章



『次の土曜日、夕方から時間を取ってほしい』
 連絡先を交換してから数日後本当にメッセージが届いたのだ。
 断る理由を考えてみたけれど、ありきたりなことしか思いつかなかった。
 用事があるとかその日はダメだとか。
 そうすると宍戸ドクターはきっと違う日はどうだと提案してくるに違いない。
 はっきりと宍戸ドクターとお食事ができませんと言えば、一度試しに食事をしてから考えてほしいと言われそうだ。
 それに私は少なくとも宍戸ドクターに心を奪われている。
 せっかく私のことを気に入ってくれているのに断るのも違う気がした。
 プライベートで会って食事をしたら、宍戸ドクターが思い描いていたのと違うと感じてくれるかもしれない。
 本当の私を知ってもらえるいい機会だと土曜日会う約束をしてしまった。

 約束した次の日、私は日勤の勤務でいつものように仕事をしていた。
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