人間が苦手なクールな獣医師が恋をして一途に迫ってきます

「はい。叔母が学費を出してあげると言ってくれたんですが……。そこまで甘えるのはどうなんだろうと思って。私がいるから自由に恋愛もせずに結婚もしないで人生の時間を過ごしてしまったと思うんです。叔母は後悔してないとは言ってくれたんですけれど……」
　肉料理が終わると魚介類のパスタが運ばれてきた。美味しくて食べ進めているが、終わりの時間が近づいてくると思えば寂しくなってきた。
「今日はお互いのことをいろいろと話せて楽しかった。山井さんは？」
「私も同じ気持ちです」
「よかった」
　また柔らかい表情で笑ったので私の心臓がズキンとした。
　最後にマスカルポーネチーズをたっぷり使ったティラミスと木苺のシャーベットがデザートとして出され、ブラックコーヒーを飲んで私たちは酔いを覚ます。
　食事で私たちはお互いのことをかなり理解し合えた気がした。