人間が苦手なクールな獣医師が恋をして一途に迫ってきます
 きっと私と宍戸ドクターが特別な関係だと勘違いしてしまったのではないか。
「申し訳ありません」
「本当に役に立たないんだから。犬よりもバカなんじゃないの」
 その言葉に私はさすがにムッとしてしまう。私を貶すのは構わないが動物さんを悪く言うのは違うのではないか。
「動物さんたちはとても賢いです。そ……そんな言い方はどうかと思います」
 怖かったけど思わず言い返した。
 今まで黙って聞いていた私が急に反発するようなことを言ったので、まりえさんは一瞬驚いた表情を見せた。そしていつもより強く睨みつけられる。
「ちゃんと仕事もできないくせに言い訳をする気?」
「そんなつもりではなかったんですが……」
「じゃあ、さっさと終わらせて」
 私に対して荷重に仕事を与えてくる。
 課長は見て見ぬふりをしていた。院長の娘の発言なので何も言えないのだろう。
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