人間が苦手なクールな獣医師が恋をして一途に迫ってきます
 仕事があまりにも多すぎて昼休みも十分に休憩することができなくなってしまった。休んでいると仕事が終わらないからだ。
 こんなんでは体を壊してしまう。でもどうしたらいいのだろう。
 休憩を取るために栄養ドリンクを休憩室で飲んでいた。するとそこに宍戸ドクターが入ってきたのだ。
「昼食にそれしか口にしないつもりか?」
「……ダイエットしなければいけないと思いまして」
 まさか仕事が多すぎて十分に休めないなんて言えるはずがない。だから私はごまかすしかなかった。
 心配そうな表情で近づいてくる。
「体が資本だ。しっかり栄養を取らないと危険だぞ」
「わかっています」
「大事な存在なんだから、自覚してほしい」
 熱い眼差しを向けられて心の中にすごく響いて泣きそうになった。
 仕事でいっぱいいっぱいになっているせいで感情の起伏が激しいせいかもしれない。
「ありがとうございます」
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